芝生刈りと父
時期 小学校高学年
場所 自宅
思い出したきっかけ 実家の芝生
実家は一軒家で、狭いながらも庭があります。
庭には母の趣味で植えられている草木がありますが、それ以外の大半の部分には芝生が敷き詰められています。
夏に帰省すると綺麗な緑色の芝生を目にすることになるのですが、今年帰省した際に目にした芝生は薄茶色で、状態が良いようには見えませんでした。
父と話をしていると、今年は腰が痛くて芝生の手入れができなかったとのこと。
芝刈りはもちろん、雑草抜きからエアレーション(地面に穴をあける)など、たしかに腰に負担がかかりそうな作業ばかり。
毎年ご苦労様、と労いました。
そんな話をしているときに思い出したことがあります。
ある夏の日、昼食後にリビングで家族みんなで団らんしていたところ、父は「庭の芝生を刈ってくる」と庭に面する窓を開けて外に出て行きました。
その後父は何回か庭と部屋を往復していましたが、あるとき窓が少し空いていることに私は気づきました。
父に「クーラー付けてるんだから閉めてよ。暑いじゃん」と言ったところ、父は激怒。
「こっちは暑い中外で作業しているんだから、それぐらい我慢しろ!!」
たしかに外が暑いのは分かっていましたが、窓を開けっぱなしにしたって外は涼しくならないよね?
と思いましたが、黙っておきました。
その時からです。
私が父のことをなんとなく嫌いになったのは。
早めの反抗期の始まりです。
父は基本的にマメで、やることが丁寧な人間です。
今思い返せば、窓を開けていたのは部屋と外を何度も出入りするときに、汚れた手で窓を開け閉めするのを嫌ったからなのでしょう。
しかしその当時はそんなことにまで考えが及ばず、「みみっちいことで怒る小さい男」と思ってしまいました。
その後、反抗期(と言っても暴力的になったりはしませんでしたが)は、大学生の時に一人暮らしを始めるまで続きました。
一人暮らしを始めたことでお金の大切さが分かるようになったり、父や家族のことを少し客観的に見ることができるようなったりしたせいか、父についてイヤな感情はなくなっていきました。
面と向かって言うのは恥ずかしいのでここに書き残します。
その節はごめん。いつもありがとう。